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糖尿病の学術講演会参加

10月6日(土)の夜は熊本市内科医会の学術講演会がありました。

講演1はあけぼのクリニックの田中元子先生による「糖尿病性腎臓病(DKD)の新しい概念と治療戦略」でした。

田中元子先生は熊本大学医学部時代の同級生です。

糖尿病性腎臓病は、糖尿病に起因し、新規に血液透析を導入する患者さんに最も多くみられる慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)です。

慢性腎臓病は、放置すると腎機能の低下とともに末期腎不全となり、最終的に慢性透析療法や腎移植が必要となります。

腎機能低下には、過剰な酸化ストレス及び炎症が関与することが知られています。

そして、現在糖尿病性腎臓病に対して、酸化ストレスを抑えるバルドキソロンメチルという薬剤が治験中だそうです。

“バルドキソロンメチルは、体内のストレス防御反応において中心的な役割を果たす転写因子Nrf2 を活性化する低分子化合物です。広範な抗酸化ストレス及び抗炎症作用により、腎機能を改善させると考えられます。実際に、国内で実施された第2 相臨床試験(TSUBAKI 試験)では、バルドキソロンメチルがイヌリンクリアランス法により測定したGFR(腎機能)を明確に改善することが示されました”という報告があります。

他に、SGLT2阻害薬の大規模臨床試験でも、腎保護作用があることが言われています。

また、ビタミンDの投与でも抗酸化作用で改善する報告があるそうです。

でも、やはり今まで通りに、糖尿病性腎臓病の治療には血糖や血圧、そして脂質管理など集学的治療が必要です。
(尿中微量アルブミンのコントロールすることで動脈硬化を減らすことが報告されています)

会場写真


講演2は京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門教授の長船健二先生による「iPS細胞を用いた糖尿病に対する再生医療開発に向けて」でした。

京都大学の山中伸弥先生がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞して以来、急速に研究が進行しています。

難しい内容でしたが、膵前駆細胞(膵芽細胞)を作成したり、3次元培養をして膵臓の組織を作りカプセル化(ホッカイロ位の大きさ)してそれを自己免疫を起こさないように移植することなどを考えられているようです。

3~4年後には1型糖尿病に対しての治療を目指しているそうです。

だから少しでも長生きすると、いろんないい医療が受けられるようになると思います。
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熊本D・H研究会参加しました

9月15日(金)は第17回熊本D・H研究会がありました。

D・Hとは、diabetes mellitis(糖尿病)とhypertension(高血圧)の略です。

講演者は、上天草市立上天草総合病院の副院長であり、眼科医であります竹下哲二先生で、演題は「糖尿病網膜症の診断から治療まで」でした。

糖尿病は合併症が恐ろしい病気で、網膜症もそのひとつですが、僕は目が見にくくなることが最も大変なことだと思います。

講演の中で、失明を社会的失明と医学的失明の二つを言われ、社会的失明は、仕事ができなくなること、一人で身の回りのことができなくなること等で、医学的失明とは、真っ暗な世界になることらしいです。

竹下先生のご講演を聴いて、早めに眼科医に紹介して、眼底を診てもらう気持ちが強くなりました。

あと、前立腺肥大症の治療薬のαブロッカーを投与していると白内障の手術時に術中光彩緊張低下症候群になり、手術が上手くいかないことが起こることは、内科医として、今後薬の選択には配慮しないといけないと考えさせられました。

実は、竹下先生とは、学生時代からの知り合いで、僕の一つ上の学年でした。

お会いするのは約29年振りでしたが、懇親会では懐かしく話ができました。

糖尿病の症例発表しました

8月23日(水)は糖尿病ファーストライン研究会がありました。

ファーストラインというのは第一選択薬のことです。

つまり初診時に使用する薬のことです。

僕は久しぶりに講演をする立場になりました。

「初診時における糖尿病治療のファーストラインについて」という題で発表されて頂きました。

他には2名の糖尿病専門医の発表がありましたが、各先生やクリニック、病院のやり方があり、勉強になりました。

糖尿病治療薬には7種類の内服薬がありますが、ファーストラインとして、最近最も多く使用されるのはDPP4阻害薬で、後はビクアナイド薬、スルフォニル尿素薬、SGLT2阻害薬が使用されます。

僕は初診時にも患者さんの状態に合わせて、2剤、3剤併用をします。

そして血糖コントロールが改善すれば少しずつ薬の量を減らしていき、維持量にもっていきます。

糖尿病治療は"オーダーメイド(テーラーメイド)治療"だからです。

そして、HbA1c値を7.0%未満、若い人では6.5%前後にコントロールすることを目標にします。

糖尿病による神経障害、網膜症、腎症だけでなく、脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を起こさせないようにしたいですね。

日本糖尿病学会総会参加

5月19日(木)に京都での日本糖尿病学会に参加してきました。

日本糖尿病学会

糖尿病専門医の更新のためには、5年間での参加単位取得と30分1単位の教育講演を20単位受講しないといけないのです。

朝8時30分から教育講演開始だったので、会場に向かう時に、地下鉄のラッシュを経験しました(多分初めてだと思います)。

僕は旅行用のキャリーバックを持っていたため、周りの方に迷惑をかけたと思います。

30分間の講義を5単位受講しました。

学会場内


会場では同級生と後輩らと会い、糖尿病に関する書籍を購入しました。

前日の18日(水)の夜は、今は医局を辞めて、いろんな経緯を経て、北海道で"医者をしている"同期入局した友人と食事をしました。

飯田さんと


その友人に対する僕のイメージは"さすらいのギャンブラー"というイメージでした。

医局を辞めたあと何処で何をしているのか音信不通でしたが、10数年前に同じ京都であった糖尿病学会で偶然にも再会しました(同じ鹿児島出身ということで縁があったのでしょうか)。

そして医者として働いていたことがとても嬉しかったです。

その時に自宅と勤務先の住所の交換(その当時は携帯電話はありません)をしました。

その後は年に1回の年賀状のやり取りやたまに"元気にしているか?"という電話が来たりしていました。

今年の初めにも電話がきて"糖尿病学会の時に食事をしよう"という約束をしました。

食事をしながら話を聴きましたが、大学時代から今までの経歴がユニークなので話がとても面白かったです。

医局を辞めた理由を尋ねてみると、ただ"救急医療がやりたかったから"との返事でした。

今も非常勤として北海道内の数ヶ所の病院で救急外来をがんばっているようです。

学会参加後は、空港に息までに、国宝三十三間堂を観に行きました。

三十三間堂

三十三間堂2


話に聞いていた通り、曲がった途端、金色に光る仏像が沢山並んでいて圧巻でした。

糖尿病治療を考える会に参加しました

10月27日(火)は“糖尿病治療を考える会”に参加しました。

今回は熊本中央病院の内分泌代謝科部長の西田健朗先生による「古くて新しいメトホルミンに注目!」という演題でした。

2015年10月27日糖尿病治療を考える会


メトホルミンは糖尿病治療薬の中で以前から使用されている薬です。

嘔気など腹部症状や乳酸アシドーシスなどの副作用には注意しなければなりませんが、安価な薬でもあることより、使用量が増えています。

肝臓での糖新生の抑制作用やグルカゴン(血糖を上げる働きがあります)のシグナル抑制作用などに、空腹時や食後の両方の血糖を下げる働きがあります。

それ以外にも消化管からの食欲を増加させるグレリン分泌を低下させたり、インクレチンのひとつでありますGLP-1分泌を促進させる作用があります。

DPPOS研究では850mg~1700mg程度使用することで、体重を減少させたという報告もあります。

また、大血管障害や総死亡を減らすという報告や高感度CRP、TNFαといった炎症マーカーを低下させるという報告もあります。
そして、糖化を抑える働きもあるようです。

最近の報告では、がんのリスクを減らすという報告もあり、全てのがんに関して33%、すい臓がんに関しては52%減らしたということです。

いろんな多面的作用(pleiotoropic effect)が報告されてきていて、僕もメトホルミンの使用量が増えています。

75歳以上の高齢者や腎臓が悪い方、全身状態が悪い方には使用しない方がいいです。

そして、CTなどの造影剤を使用するときは検査前2日位から休薬し、検査後2日経ってから使用する方がいいようです(腎臓が悪くない方は当日からの中止でもいいということです)。

今回も新しい学びがありました。
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